建設現場や運送現場を支える職人・ドライバーへの給与は待ったなしですが、元請けからの入金は先送りになりがちです。このギャップをどう埋めるか悩む中小事業者が注目しているのが「ラボル ファクタリング」です。本記事では、ラボル独自の労務給与債権ファクタリングの仕組みや特徴、口コミまでを整理し、資金繰り改善の具体的な選択肢として検討できるよう解説します。
ラボルのファクタリングサービスとは?特徴と口コミ
ラボルファクタリングの概要
ラボルとはどんな会社か
ラボルは、建設業・運送業などの「労務給与債権」を中心に買い取る、日本発のファクタリング事業者です。下請け・孫請け企業の未払給与を即時に現金化できる点が大きな特徴です。
2017年に設立され、2023年時点での登録事業者数は10万社を超え、労務債権を中心とした取扱高は数百億円規模に成長しています。2024年以降は、金融庁登録の貸金業者としての信頼性も高まり、建設業向けの専門サービスとしてのポジションを確立しつつあります。
「ラボル ファクタリング」が注目されている理由
ラボルは、建設業法・下請法に定められた前払い義務を活用し、手数料を抑えつつ短期間で資金化できる仕組みを提供しているため、中小事業者の資金繰り改善に役立つサービスとして注目されています。
特に、建設業法第19条等に基づく「前払い委託金(労務費の7割以上を前払いする義務)」を債権として扱うスキームは日本独自のものであり、国土交通省も「倒産防止・下請け保護」の観点からガイドラインを整備するなど、公的な後押しがあります。その結果、黒字にもかかわらず支払サイトの長さが原因で資金が回らなくなる「黒字倒産」のリスクを減らす手段として、利用の関心が高まっています。
他の資金調達手段との比較
ラボルのファクタリングは、銀行融資よりも審査が柔軟で、ビジネスローンよりも資金化が早く、クラウドファクタリングよりも労務債権に特化している点が特徴です。
銀行融資のように担保や保証人を求められにくく、赤字決算や債務超過であっても「元請けの信用力」があれば利用しやすい傾向があります。また、クラウドファクタリング各社が一般的な売掛金(商品・サービス代金)を対象とするのに対し、ラボルは建設・運送業における「給与支払確保措置」に紐づく前払い金を主な対象としているため、職人やドライバーへの給与支払いを直接支える仕組みになっています。
ラボルのファクタリングの主な特徴
建設業・運送業など「労務給与債権」に特化
一般的な売掛ファクタリングとの違い
ラボルは、一般的な売掛金ではなく、下請け企業への「前払い委託金」や労務分の債権を買い取る点に専業性があります。
通常のファクタリングは、「工事完了後の出来高払い」や「納品済サービスの請求書」を対象にします。一方、ラボルは工事着手後7日以内に発生する前払い義務部分(労務費相当)を債権化することで、工事の進捗や請負金額に応じて、工事のかなり早い段階から資金化を可能にしています。この点が、一般的な売掛金買取との大きな違いです。
なぜ下請け・孫請け企業と相性が良いのか
建設業界では、多重下請け構造の中で、元請けから一次、二次、三次と支払が連鎖するため、末端の下請けになるほど「60日・90日サイト」が一般的になりがちです。一方で、職人や作業員には月1〜2回の給与・日当を支払う必要があるため、手元資金が枯渇しやすい構造があります。
ラボルは、「労務費7割以上前払い」という法定ルールを活用して資金化を行うため、支払サイトが長くなりがちな下請け・孫請け企業ほどニーズが強く、資金繰りのボトルネックを直接解消しやすいサービスといえます。
手数料とコスト感
手数料の目安(2〜8%)と相場比較
ラボルの手数料は一般的に2〜8%が目安で、売掛ファクタリングと比べると低めに設定される傾向があります。
建設・運送向けというニッチな市場ではありますが、法定の前払い義務に基づく、比較的安全度の高い債権を扱うことから、リスクプレミアムが抑えられていることが背景にあります。中小企業向けファクタリング全体では10%以上の手数料も珍しくありませんが、ラボルでは2〜5%程度の案件が主流とされ、業界平均よりも低水準との評価が多く見られます。
実質年率で見たときの注意点
短期間での現金化であっても、年率換算すると手数料が高く見える場合があります。そのため、月次ベースでコストを試算することが重要です。
例えば、「100万円を30日間前倒しで受け取り、手数料3%」の場合、年率換算では約36%に相当します。ただし、ラボルの手数料は基本的に「売掛残高×利用日数」に基づく日割り計算であり、必要な日数に絞って利用することでコストを抑えやすい仕組みになっています。「今月の給与・外注費を支払うために、30日だけ前倒しする」といった短期・スポット利用を前提に、月次や現場単位の採算にどの程度影響するかを見積もることが現実的です。
手数料が高くなりやすいケース・抑えやすいケース
手数料は、売掛先(元請け)の信用リスクや、短期化の頻度などによって変動します。
過去に支払遅延が多い元請けや、財務基盤が弱い元請けとの取引は、スコアリング上リスクが高くなり、手数料率が上振れしやすくなります。逆に、大手ゼネコンや大手物流会社など、支払実績が豊富で遅延がほとんどない元請けとの継続案件では、AI審査スコアが向上し、同じ企業が繰り返し利用することで手数料が徐々に下がる「リレーション効果」も期待できます。
資金化までのスピードと審査
申込から入金までの流れ(最短即日)
ラボルのファクタリングは、申込から入金まで最短即日対応が可能です。
具体的な流れは、以下のとおりです。
- Webポータルまたは専用アプリから法人として登録
- 元請けとの契約情報および「前払い委託金請求書」をアップロード
- ラボル側で審査を実施
- 問題がなければ売買契約を締結
- 手数料を差し引いた金額が即時入金
案件によっては、10分〜数時間で入金された事例もあり、「今週末の給与支払いに間に合わせたい」といった急ぎのニーズにも対応しやすいとされています。
AI審査・eKYCによる迅速な審査体制
ラボルでは、AIによる支払実績スコアリングやeKYC(オンライン本人確認)を活用することで、迅速な審査を実現しています。
審査においては、元請け企業の支払履歴や財務データ、同業他社の統計データなどを機械学習モデルでスコアリングし、独自の「支払確実性スコア」を算出します。利用企業側(下請け)は、顔認証とマイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を用いたeKYCにより、来店不要で手続きを完結できます。過去データを活用した結果、全体の審査拒否率は5%未満に抑えられているとされ、他の金融サービスと比較しても審査に通りやすいという口コミが見られます。
審査に通りやすい業種・取引条件の傾向
元請けの支払実績が良好で、取引履歴が豊富な建設下請け企業は、審査を通過しやすい傾向にあります。
特に、国土交通省登録業者や公共工事を多く手がける元請けとの案件は、公的な監督がある分、支払の信頼性が高く評価されます。一方で、元請けが小規模で決算情報が乏しい場合や、契約書・請求書の整備が不十分な案件では、AIがリスクを高めに判定しやすく、上限額が抑えられたり、追加資料の提出を求められたりするケースもあります。
安心感・安全性のポイント
建設業法・下請法を根拠としたスキーム
ラボルのスキームは、建設業法や下請法に基づく前払い義務をベースとしており、法的根拠が明確で透明性の高い仕組みになっています。
2022年には国土交通省が「建設業ファクタリングガイドライン」を公表し、ラボルのような事業者に対して、過大な手数料や不当条項の禁止、情報開示の徹底などを求めています。また、ラボルは債権譲渡登記を行い、元請けとの間で連帯保証契約を締結することで、法的な権利関係を明確化し、不透明な取り立て行為などが起こりにくい仕組みを整えています。
2社間・3社間ファクタリングとの位置づけ
ラボルのスキームは、元請けがラボルに直接支払う「3社間ファクタリング」に近い構造であり、回収リスクが比較的低い点が特徴です。
多くのオンラインファクタリングは、「利用企業とファクタリング会社の2社間取引」で、売掛先に知られない形を取ります。これに対し、ラボルは元請けがラボルに直接支払うことを前提とするため、元請けの承諾や協力が必要となります。その一方で、支払フローがシンプルになり、ラボル側の回収リスクが低減することで、結果的に手数料の低水準化につながりやすいといえます。
まとめ:ラボルファクタリングを検討する際のポイント
ラボルのファクタリングは、建設業・運送業といった「労務給与債権」に焦点を当てることで、職人やドライバーへの給与支払いと、元請けからの入金タイミングとのズレを埋めるための仕組みを整えたサービスです。
一般的な売掛ファクタリングとは異なり、建設業法・下請法に基づく「前払い委託金」を対象とすることで、工事のかなり早い段階から資金化しやすい点が特徴といえます。さらに、建設業向けに特化したスキームであることや、国土交通省のガイドライン整備、貸金業登録などを踏まえると、いわゆるグレーなファクタリングとは一線を画した存在といえるでしょう。
手数料は概ね2〜8%とされ、建設・運送向けというニッチな市場ながら、一般的な中小企業向けファクタリングより抑えめな水準との評価が見られます。ただし、年率換算では高く見える場合もあるため、
「どの現場で・何日分を・いくら前倒しするのか」を月次の採算表の中で試算し、自社の利益率と天秤にかけて判断することが重要です。
元請けの協力が得られる建設・運送の下請け事業者にとって、ラボルは「黒字倒産リスクを減らしつつ、人材確保と現場維持を両立させるための現実的な選択肢」のひとつになり得ます。銀行融資やビジネスローンと併用しながら、資金ショートを防ぐためのセーフティネットとして位置付けるのが賢い使い方といえるでしょう。

