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ファクタリングの手数料を徹底比較【平均相場と注意点】

目次

ファクタリングの手数料をざっくり把握しよう

ファクタリングとは?仕組みを簡潔に理解

ファクタリングとは、取引先に対する売掛金(請求書)を、支払期日前にファクタリング会社へ売却して現金化する仕組みです。
売掛金の額面から「手数料」を差し引いた金額が、ファクタリング会社からあなたの口座へ入金されます。

例として、売掛金100万円をファクタリングした場合は次のようになります。

  • 手数料 5%:受け取れる金額は 95万円
  • 手数料 15%:受け取れる金額は 85万円

この差し引かれる部分が、本記事で解説する「ファクタリング手数料」です。

ファクタリングは法律上「債権の売買(譲渡)」と位置づけられることが多く、銀行融資のような「貸付」ではありません。このため、借入金として負債計上されないケースもあります(契約形態や会計処理によって異なるため、最終判断は専門家へ確認してください)。
また、ファクタリング手数料は、一般に金融取引として消費税の「非課税」取引に分類されることが多く、融資の利息と似た扱いになります。

「ファクタリング手数料」の基本概念

ファクタリングの手数料は、売掛債権を買い取ってもらう対価として、ファクタリング会社に支払うコストです。一般的には「割引率」「手数料率」といった名称で表示され、次のように計算されます。

  • 買取額 = 売掛金 × 掛け目(買取率)
  • 手数料 = 買取額 × 手数料率
  • 実際の入金額 = 買取額 − 手数料

【計算例】売掛金100万円、掛け目90%、手数料率5%の場合

項目 計算式 金額
買取額 100万円 × 90% 90万円
手数料 90万円 × 5% 4万5,000円
入金額 90万円 − 4万5,000円 85万5,000円

ここで重要なのは、「掛け目」と「手数料率」という2段階で目減りする可能性がある点です。それぞれ、反映しているリスクが異なります。

掛け目(買取率)

掛け目は、売掛先の信用力・業種・過去の入金実績などから、「未回収リスク」や「売掛金と実際の請求内容のギャップ」を見込んで決まります。
信用度が低い、必要資料が不十分といった場合には、掛け目を80〜90%程度まで下げることで、ファクタリング会社はリスクをヘッジします。

手数料率

手数料率は、次のような要素を価格に反映したものです。

  • 回収までの期間(支払サイト)
  • 審査・事務のコスト
  • ノンリコースかどうか(倒産時のリスク負担)
  • 即日入金などオプションの有無

同じ「10%」のコストに見えても、

  • 掛け目100%・手数料率10%
  • 掛け目90%・手数料率ほぼ0%(事務手数料のみ)

といったように、構成が違えば、実際の手元資金やリスク分担も変わります。見積もりを比較する際は、「掛け目」と「手数料率」をセットで確認することが重要です。

銀行融資の利息と何が違うのか

ファクタリングの手数料は、銀行融資の「利息」と似ていますが、その性質は異なります。

  • 融資:お金を借りて、元本+利息を返済する「借入」。負債として計上されます。
  • ファクタリング:売掛金を売却し、その代金から手数料を差し引かれる「債権譲渡」。借入ではない扱いになるケースが多くなります。

また、銀行利息は年利(%/年)で表示されますが、ファクタリング手数料は「取引1回あたりの率」で表示されます。支払サイト(30日・60日など)が短い場合、同じ手数料でも年率換算すると非常に高く見えることがあるため、「実質コスト」を意識することが大切です。

コストの発生の仕方にも違いがあります。

  • 銀行融資
    借入残高に対して日割り・月割りで利息がかかる「時間比例」のコストであり、繰上返済すれば利息負担を減らせます。
  • ファクタリング
    売掛金1件ごとに「一括で」手数料が差し引かれる、いわば「前払い型」のコストです。途中で契約をやめても、その取引分の手数料が戻ることは通常ありません。

会計・税務面では、ファクタリングは「金融取引として非課税(消費税)」とされることが多い一方、実態が融資に近いと判断されると、税務上問題となる可能性もあります。銀行融資の代替として継続的に利用する場合は、契約内容や会計処理について、あらかじめ専門家の確認を受けておくと安心です。

ファクタリング手数料の平均相場

2社間ファクタリングの手数料相場(目安)

2社間ファクタリングは、「あなたの会社 ⇔ ファクタリング会社」の2社だけで行う方式で、取引先(売掛先)には通知しません。
ファクタリング会社側から見ると、

  • 売掛先からの入金が確実かどうか分かりにくい
  • 回収できなかった場合のリスクが高い

と判断されるため、手数料は高めに設定される傾向があります。

一般的な相場の目安は次のとおりです。

  • 2社間ファクタリング:おおよそ 5〜20%
    • よく見られるゾーン:8〜18%前後

実務上の傾向としては、以下のようなケースが多く見られます。

  • 売掛先が上場企業・官公庁クラスで、かつ取引額が数百万円以上の案件
    → 5〜10%台前半に収まることもある
  • 売掛先が中小企業・スタートアップで、売掛金額が数十万円規模、支払サイトも長め(60〜90日)の案件
    → 15〜20%前後を提示されることも珍しくない
  • 即日入金・登記なし・ノンリコースなど「スピード・安心」を重視した条件
    → 同じ売掛先でも、数%程度上乗せされる場合がある

「2社間だから必ず高い」と一律に決まっているわけではなく、2社間のなかでも条件次第で大きな幅があります。複数社から見積もりを取り、自社の条件でどの水準になるかを確認することが現実的です。

3社間ファクタリングの手数料相場(目安)

3社間ファクタリングは、「あなたの会社 ⇔ 売掛先 ⇔ ファクタリング会社」の3社で行う方式です。
売掛先が支払先をあなたではなくファクタリング会社に変更して支払うため、ファクタリング会社の回収リスクは低くなります。

その分、手数料は低く抑えられることが多く、一般的な相場は次のとおりです。

  • 3社間ファクタリング:おおよそ 1〜9%
    • よく見られるゾーン:2〜9%前後

売掛先が上場企業・大企業などで信用力が高い場合や、取引額が大きい場合には、3%前後、場合によってはそれ以下の水準が提示されるケースもあります。

一方で、次のような条件では、3社間でも上限に近いレートが提示されることがあります。

  • 売掛先が中堅・中小企業で、決算内容が弱い
  • 取引額が小さく、1回限りのスポット取引
  • 支払サイトが長く(90日以上)、かつノンリコースを希望している

このような場合、7〜9%程度の水準になることもあります。
「3社間だから何%」と決めつけるのではなく、「自社+売掛先+条件の組み合わせ」で幅があることを前提に検討することが重要です。

業者サイトの「◯%〜」表記の読み方

ファクタリング会社のサイトには、「手数料 ◯%〜」という表現がよく見られます。この表示を見る際の注意点は次のとおりです。

  • 表示される「〜」の下限は、最も条件の良いケースを前提にした“理論上の最低レート”であることが多い
  • 実際の手数料は、
    • 取引形態(2社間/3社間)
    • 売掛先の信用力
    • 取引金額・取引回数
    • 支払サイトの長さ
    • 書類や実績の整備状況

    などによって個別に決まる

さらに、サイト上の「◯%〜」表記には、次のような前提や仕組みが含まれている場合があります。

  • 「3社間・大企業向け・数千万円以上・登記あり」など、一般の中小企業には当てはまりにくい条件で算出した最低レート
  • 「買取手数料」は低くても、別途「事務手数料・審査料・振込手数料・登記費用」などがかかり、トータルでは数%分上乗せされるケース
  • 「初回はやや高めだが、継続利用で下げる」運用をしており、サイトの数字は“最良条件”のみを切り取っているケース

そのため、「1%〜」と書かれていても、実際に見積もりを取ると「今回の条件では12%です」といった水準になることは十分ありえます。
複数社から実際の見積もりを取得し、総コストを比較することが、手数料を抑えるうえで不可欠です。

なぜこんなに違うのか?手数料が決まる5つのポイント

1. 取引形態の違い(2社間か3社間か)

2社間ファクタリングは手数料が高め、3社間ファクタリングは低めになるのが一般的です。理由は次のとおりです。

  • 2社間:売掛先への通知がなく、回収リスクが高い
  • 3社間:売掛先が支払先を変更するため、回収リスクが低い

「取引先に知られたくない」というニーズが強い場合は2社間を選ぶケースが多く、その分コストが上がるというトレードオフの関係にあります。

また、2社間では次のような事情があります。

  • 売掛先が支払いをしなかった場合、あなたに「償還請求(買い戻し)」する条件(リコース)が付く場合が多い
  • それでも売掛先に通知できない分、審査上の不確実性が残り、手数料率でカバーせざるを得ない

3社間であっても、「ノンリコース(売掛先倒産時もあなたに請求しない)」を希望すれば、その分手数料は上昇します。
「売掛先に通知するか・しないか」と「誰がどこまでリスクを負うか」の組み合わせによって、レートが変動する構造になっています。

2. 売掛先の信用力・取引履歴

手数料に最も大きく影響するのが、売掛先(最終的な支払者)の信用力です。

  • 上場企業・官公庁・大企業:信用度が高く、手数料は下がりやすい
  • 赤字が続く企業・設立間もない企業:信用度が低く、手数料は上がりやすい

過去の取引履歴も重視されます。

  • 支払い遅延の実績がない
  • 長年の取引で安定している

といった情報があれば、ファクタリング会社はリスクを低く見積もり、手数料を抑えやすくなります。

実務では、主に次の情報が確認されます。

  • 直近数期分の決算内容(自己資本比率・利益水準・債務超過の有無など)
  • 支払サイト・支払条件(手形か振込か、末締め翌月末払いなど)
  • 取引の集中度(売掛先が他社にも多くの支払い義務を抱えていないか)

売掛先が「公的機関(国・自治体・健保組合など)」の場合は、信用リスクが極めて低いと判断され、買取率100%・手数料も1桁前半という好条件が出やすくなります。

3. 買取率(掛け目)と売掛金の金額規模

掛け目(買取率)と金額規模も、手数料に大きく関わってきます。

掛け目(買取率)

売掛金を100%そのまま買い取るのではなく、90〜95%など一定割合に抑えることで、ファクタリング会社がリスクをヘッジする場合があります。掛け目が低いほど、あなたの手元に残る金額は減ります。
特に、売掛先の信用情報が乏しい、請求書と実際の取引を裏付ける資料が弱いといった場合、掛け目を下げてリスク調整することがあります。

金額規模

一般的には、取引金額が大きいほど、手数料率は下がりやすくなります。
10万円の取引よりも1,000万円の取引のほうが、固定的な事務コストを分散できるため、割安なレートを提示しやすいからです。

一方で、数万円〜十数万円といった小口になると、事務コストの比率が高くなり、「最低手数料」や「定額の事務手数料」の影響で、実質的な手数料率が20%近くになるケースもあります。

4. 支払サイト(入金までの期間)

売掛金の支払期日までの期間(支払サイト)が長いほど、ファクタリング会社の資金が長期間拘束され、回収リスクも高まるため、その分手数料は上がります。

イメージとしては、次のように期間に応じてレートが上乗せされます。

  • 30日サイト:5%
  • 60日サイト:8%
  • 90日サイト:12%

この「期間要因」は、特に建設業や医療・介護報酬のファクタリングで影響が大きくなります。

  • 建設業:工期+検収+支払サイトで、実質3〜6カ月先の入金になる案件も多く、その間の資金拘束リスク分が手数料に反映されます。
  • 医療・介護:2〜3カ月サイトが一般的で、信用リスクは低いものの、「期間分」のコストとして数%が上乗せされます。

同じ5%の手数料でも、30日サイトか90日サイトかで、年率換算した際のイメージは大きく異なります。「%」だけでなく、「サイトの長さ」も合わせて確認することが重要です。

5. 契約条件・オプション(即日入金・登記・保証など)

次のような契約条件やオプションも、手数料に影響します。

  • 即日入金・スピード重視:手数料が上乗せされやすい
  • 債権譲渡登記の有無:登記なしで対応する場合、ファクタリング会社のリスクが増え、手数料上昇要因となる
  • ノンリコース(償還請求権なし)かどうか:売掛先が倒産してもあなたに請求しない条件であれば、その分のリスクが手数料に反映され、高くなりやすい

「便利さ」「スピード」「安心度」を高めるほど、コストも上がる構造になっていると理解しておくとよいでしょう。

また、契約条件の中には、次のような「見えにくいコスト」が含まれている場合もあります。

  • 2回目以降は自動継続・包括契約になり、解約時に違約金が発生する条項
  • 登記費用や公正証書作成費用を、実費以上の金額で請求しているケース
  • 「最低手数料(◯万円)」が設定され、小口取引ほど実質的な手数料率が跳ね上がる仕組み

オプションの有無だけでなく、「それぞれが何%分のコストになっているか」を分解して提示してもらうことで、他社との比較がしやすくなります。

シミュレーションで見る「実際いくら手元に残るか」

売掛金100万円の場合の比較(2社間 vs 3社間)

売掛金100万円をファクタリングするケースで、2社間と3社間を比較してみます(いずれも掛け目100%と仮定)。

方式 手数料率 買取額 手数料 入金額
2社間ファクタリング 15% 100万円 15万円 85万円
3社間ファクタリング 5% 100万円 5万円 95万円

同じ100万円の売掛金でも、2社間と3社間で手元に残る金額は10万円違ってきます。これを毎月のように利用する場合、年間では非常に大きな差になります。

実務では、ここに「掛け目」の違いも加わるケースが多くなります。

方式 掛け目 手数料率 買取額 手数料 入金額
2社間 90% 15% 90万円 13万5,000円 76万5,000円
3社間 95% 5% 95万円 4万7,500円 約90万2,500円

掛け目と手数料率の両方が異なると、実際の手取り額の差はさらに大きくなり、資金繰りや利益に与える影響も増大します。

手数料10%と15%でどれだけ利益が変わるか

利益へのインパクトを、もう少し具体的に見てみます。
売上総利益(粗利)率30%のビジネスで、100万円の売上に対してファクタリングを利用するとします。

  • ファクタリングなし
    • 売上:100万円
    • 粗利:30万円(コスト70万円)
  • 手数料10%(100万円の10万円)
    • ファクタリング後の受取額:90万円
    • 粗利:90万円 − 70万円 = 20万円
  • 手数料15%(100万円の15万円)
    • ファクタリング後の受取額:85万円
    • 粗利:85万円 − 70万円 = 15万円

手数料が10%から15%になるだけで、粗利は20万円から15万円へと25%も減少します。利益率が低いビジネスほど、手数料の影響は大きくなります。

この影響を継続利用の観点で見ると、さらにシビアです。

  • 毎月100万円を手数料15%でファクタリングする場合
    → 年間手数料総額は180万円
  • 粗利率30%(年間粗利360万円)のビジネスであれば、粗利の半分がファクタリング手数料で消える計算になります。

このように、ファクタリング手数料の水準は、事業の収益性に直結します。「一時的な資金ショートを乗り切るためのスポット利用」なのか、「常時利用を前提とするのか」で、判断基準を分けることが重要です。

年率換算したときの「実質コスト」に要注意

ファクタリングの手数料は「1回の取引あたり」で表示されますが、支払サイトが短い場合、年率換算するとかなり高くなることがあります。

【例】30日サイトの売掛金100万円を、手数料5%でファクタリングした場合
1カ月で5% ⇒ 単純に年率換算(×12カ月)すると約60%

もちろん、銀行金利と単純比較できるものではありませんが、「資金調達コスト」という観点では、この年率イメージも意識しておく必要があります。特に2社間で10〜20%の手数料を頻繁に利用する場合、実質的にはかなり高いコストを支払っている可能性があります。

  • 30日サイト・手数料15% ⇒ 単純年率換算で180%
  • 60日サイト・手数料10% ⇒ 単純年率換算で60%

このような水準となり、通常の銀行融資(年1〜数%台)とは全く別次元のコストです。「年率換算したとき、自社のビジネスの利益率と見合うか」を一度冷静に試算しておくと、利用の線引きがしやすくなります。

ファクタリングのメリット・デメリットと費用感

資金繰り改善などのメリットと手数料の関係

ファクタリングの最大のメリットは、次の2点です。

  • 売掛金を速やかに現金化できる
  • 借入扱いにならない場合が多く、バランスシートの悪化を避けやすい

一方で、デメリットは「手数料コストが高くなりがち」という点です。

経営判断として常に意識すべきなのは、
「この手数料を支払ってでも、今すぐ資金を得る価値があるかどうか」です。

例えば、次のようなケースでは、一定の手数料を「必要経費」と割り切る判断も合理的です。

  • 仕入れ資金を確保し、大きな受注機会を逃さずに済む
  • 賃金・外注費を滞りなく支払い、事業運営を止めずに継続できる

一方で、次のような状況では注意が必要です。

  • すでに赤字が続いており、ファクタリングなしには日々の支払いが回らない
  • 利益率が低いにもかかわらず、高率な2社間ファクタリングを常用している

このような場合、ファクタリングで一時的に資金ショートをしのいでも、実際には資金繰り悪化のタイミングを先送りしているだけ、というリスクがあります。

この記事のまとめ:手数料を踏まえたファクタリング活用のポイント

本記事では、ファクタリング手数料の仕組みと相場、そして判断の着眼点を整理しました。押さえるべきポイントは大きく3つです。

  • 第一に、「掛け目」と「手数料率」の二重構造を理解し、見た目の%だけでなく、最終的にいくら手元に残るのかを数字で確認すること。
  • 第二に、2社間か3社間か、売掛先の信用力、支払サイトの長さ、オプション条件などによって、同じ案件でも手数料水準が大きく変わるという前提で、必ず複数社の見積もりを取り、総コストで比較すること。
  • 第三に、年率換算や自社の粗利率とのバランスを一度冷静に試算し、「継続利用しても事業として成り立つ水準か」を見極めること。

短期の資金ニーズには有効な手段ですが、常用すると利益を大きく圧迫しやすいため、銀行融資や支払条件の交渉など、他の選択肢も含めて資金調達の全体設計を検討していきましょう。

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