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ファクタリング限度額の相場と引き上げのコツ

目次

ファクタリング限度額の「相場」がすぐわかる基礎知識

ファクタリングの限度額とは?融資の枠との違い

ファクタリングの限度額とは、「売掛金のうち、ファクタリング会社が買取可能とする上限額」を指します。融資の枠(借入可能額)が主に返済能力や担保によって決まるのに対し、ファクタリングは売掛債権そのものの信用力(=回収見込み)によって決まる点が大きく異なります。負債を増やすのではなく、保有している資産を現金化する仕組みです。

また、銀行融資は貸金業法や利息制限法の範囲内で金利が決まりますが、ファクタリングは「債権の売買」であり、利息制限法の適用外となります。そのため手数料に法的な上限はなく、売掛先の信用力が低い場合や、2者間ファクタリングのようにリスクが高い取引形態ほど、同じ限度額でも手数料が高くなる傾向があります。

整理すると、限度額は「いくらまで資金化してよいか」という器、手数料や掛け目は「その器のうち、実際にいくら現金になるか」を決める要素と考えると分かりやすいでしょう。

個人事業主と法人で限度額の考え方は変わるか

個人事業主と法人で、限度額の基本的な考え方は同じで、中心となるのは売掛先の信用力です。ただし個人事業主の場合は、取引実績や請求書発行の安定性がより重視され、初回の限度額は法人より低めに設定される傾向があります。

特に、売掛先が中小企業で、かつ取引年数が浅い個人事業主の場合は、「まずは少額で様子を見る」という運用が一般的です。この場合、30万〜300万円程度からスタートし、支払遅延がないことを確認しながら、徐々に上限を引き上げていきます。

一方で、個人事業主であっても、大手企業や官公庁向けの請求書であれば売掛先の与信が高いため、法人並みの限度額(数百万円〜数千万円)が認められるケースもあります。

2者間・3者間で限度額の目安はどれくらいか

2者間ファクタリングの限度額は、目安として数十万〜数千万円程度で、特に初回は30万〜1,000万円程度と低めに設定されることが多いです。

3者間ファクタリングは売掛先の承諾があるため、ファクタリング会社から見た回収リスクが低くなり、限度額も柔軟に設定されます。数千万円〜数億円まで対応している事例もあります。

相場として、多くの専門業者では2者間ファクタリングの上限を概ね1億円前後、3者間ファクタリングでは2億円以上、あるいは「上限なし」としているケースも見られます。

クラウドファクタリング系サービスは、オンライン完結で小口案件をメインターゲットとしていることが多く、初回は数十万〜数百万円に抑えつつ、利用実績に応じて上限を段階的に増額していく仕組みを採用しているのが一般的です。

ファクタリング限度額の相場早見表

売掛金の額別:いくらまで現金化できるか

売掛金額そのものが、限度額を考える際の基礎となります。たとえば売掛金が100万円であれば、原則として100万円までが審査対象になります。ただし、掛け目や手数料によって、実際の受取額は減少します。

実務上は「売掛先ごとの上限額」があらかじめ設定され、その範囲内で個々の請求書が現金化されます。たとえば、ある得意先に対する限度額が1,000万円で、当月の売掛が800万円なら全額が審査対象です。一方、売掛が1,500万円ある場合は、上限の1,000万円までしか買取されません。

このうえで、2者間・3者間の別や業種ごとの掛け目(おおむね65〜90%)と手数料率(おおむね1〜30%)によって、同じ売掛金額でも「実際の入金額」は大きく変わります。

2者間ファクタリングの限度額相場と手数料の関係

2者間ファクタリングでは、手数料は概ね8〜30%が一般的で、掛け目(買取率)は65〜80%程度が目安です。限度額は3者間に比べて低めになりますが、その分審査が比較的緩やかな場合があります。

2者間ファクタリングは、売掛先に知られずに利用できるというメリットがある一方で、ファクタリング会社から見ると「売掛先が倒産したときのリスク」を利用企業側が負うことになり、回収リスクが高い取引形態と評価されます。その結果、同じ売掛先・同じ限度額であっても、3者間より手数料が高く設定される傾向があります。

また、初回取引では限度額をあえて抑え、取引回数や入金実績に応じて上限額と掛け目を徐々に引き上げる運用が一般的です。

3者間ファクタリングの限度額相場と掛け目の違い

3者間ファクタリングでは、手数料は1〜10%、掛け目は80〜90%程度が目安となり、2者間より有利な条件になりやすいです。売掛先の承諾があるため、限度額も高額に設定される傾向があります。

売掛先がファクタリング会社に直接支払う仕組みであるため、未回収リスクが大幅に低下し、その分限度額を柔軟に設定できます。中堅〜大企業との継続取引では、1社あたり1億〜2億円規模の限度額が設定されるケースも珍しくありません。

長期的に見ると、2者間で高い手数料を払い続けるよりも、3者間で限度額を大きく取り、低手数料・高掛け目で安定的に利用したほうが、トータルコストを抑えやすくなります。

診療・介護報酬など「専門ファクタリング」の限度額相場

診療報酬や介護報酬を対象としたファクタリングは、売掛債権の信用度が高いため、掛け目90%超、限度額も大きく取れる傾向があります。

診療報酬債権は、支払主体が国保連や社会保険診療報酬支払基金といった公的機関であり、入金サイクルも安定しています。そのため、専門業者では100%近い掛け目を設定したり、月間請求額のほぼ全額を限度額とするスキームも見られます。

介護報酬も同様で、中小のクリニックや介護事業者でも、月商数百万円〜数千万円規模の限度額が付きやすく、一般的な商取引の売掛金より有利な条件で資金化できる点が特徴です。

限度額がどう決まるのか:審査で見られているポイント

一番重視されるのは「売掛先」の信用力

限度額の設定で最も重視されるのは、売掛先の財務状況や支払履歴などの信用力です。大手企業や上場企業宛の請求書であるほど、高額で買取されやすくなります。

具体的には、売掛先の決算内容、負債水準、業歴、属する業界の動向、支払サイト、過去の支払遅延の有無などがチェックされ、「この取引先に対して合計いくらまでなら保証できるか」という与信枠が設定されます。売掛先が複数ある場合には、それぞれの売掛先ごとに上限額が割り振られ、その合計が実質的なファクタリング可能総額(ポートフォリオの限度額)となります。

取引実績・年数が限度額に与える影響

売掛先との継続的な取引実績があれば、初回よりも限度額が拡大しやすくなります。逆に、取引期間が短い新規取引では、限度額は限定的になりがちです。

典型的には、「まずは半年〜1年程度の取引実績を確認し、その間に支払遅延や大きなクレームがないことを確かめてから、売掛先ごとの上限を引き上げる」という流れになります。特に3者間ファクタリングでは、売掛先と利用企業の取引年数が長いほど、月商の1〜2か月分程度まで限度額を拡大しやすくなります。

一方で、スポット取引や単発案件では、請求書の全額ではなく一定割合のみを限度額とするなど、保守的な設定になりやすい点には注意が必要です。

自社の財務状況・決算内容はどこまで見られるか

ファクタリングは売掛先重視で審査が行われますが、自社の事業継続性や不正リスクを判断するために、決算書や試算表も確認されるのが一般的です。

融資ではないため、赤字決算や債務超過であっても利用できるケースは多いものの、極端な債務超過や債務不履行歴がある場合には、「売掛債権の実在性」や「二重譲渡のリスク」が高いと判断され、限度額が抑えられたり、利用自体を断られることもあります。

逆に、売掛債権の管理体制が整っていることがうかがえる決算書・試算表を提示できれば、同じ売掛先でも評価が上がり、掛け目や限度額が有利になりやすくなります。

初回取引で限度額が低くなりやすい理由

初回取引では、ファクタリング会社側に与信情報が少なく、リスク評価が高くなりやすいため、限度額は抑えられるのが一般的です。実績を積み重ねることで、徐々に枠が拡大していきます。

特に2者間ファクタリングでは、初回は少額からのスタートになりがちで、「支払遅延がないか」「書類の整合性に問題がないか」といった点を確認しながら、段階的に上限を見直す運用が多く採用されています。

まとめ:ファクタリング限度額の相場感を押さえて賢く活用する

ファクタリングの限度額は、融資のように「自社の返済能力」だけで決まるものではなく、「売掛先の信用力」「取引実績」「取引形態(2者間・3者間)」「専門ファクタリングかどうか」といった複数の要素で組み立てられます。

相場感としては、2者間は数十万〜数千万円規模が中心で、上限も3者間より抑えられがちな一方、売掛先に知られずに利用しやすい特徴があります。3者間は売掛先の承諾があるぶん回収リスクが下がり、数千万円〜数億円まで柔軟に枠が広がりやすく、手数料や掛け目も有利になりやすい取引形態です。

また、診療報酬・介護報酬など公的色の強い債権は与信力が高く、掛け目90%超や、月間請求額ほぼ全額といった大きな限度額が視野に入ります。自社の業種・売掛先の属性・資金ニーズのタイミングを踏まえつつ、どのタイプのファクタリングを、どの程度の限度額で利用するのが最適かを検討していくことが重要です。

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