MENU

ファクタリング業者の選び方と信頼性チェックポイント

目次

ファクタリング業者の選び方と信頼性チェックポイント

資金繰りが厳しく、銀行融資だけでは回らない──そんな場面で「ファクタリング業者」を検討する企業が増えています。一方で、悪質な業者とのトラブルや法的なグレーゾーンも話題になっており、どこに依頼するかで結果は大きく変わります。

本記事では、ファクタリングの仕組みから業者選びの具体的なチェックポイントまで、判断材料を整理して解説します。

ファクタリング業者を選ぶ前に知っておきたい基礎知識

ファクタリングとは?融資との違いを整理

ファクタリングは、売掛債権(請求書)をファクタリング業者に売却して現金化する資金調達手法です。借入ではないため信用情報に直接影響せず、原則として担保も不要で、比較的短期間で資金を得られます。

一方で手数料が発生するため、実質的な資金調達コストは高くなりやすい点には注意が必要です。日本では、銀行融資の審査が厳しい中小企業やフリーランスの「つなぎ資金」の手段として利用が広がっており、売掛金の入金までに60〜90日かかるケースなどで、キャッシュフロー改善に活用されています。

会計処理上は「借入金」ではなく「債権売却」として扱われるため、貸借対照表(BS)を悪化させにくいという特徴もあります。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い

2社間ファクタリングは、売掛債権の売り手(利用者)とファクタリング業者の2者で完結する契約形態で、売掛先にファクタリングの利用を通知しないのが一般的です。秘密性が高い反面、業者側の回収リスクが大きくなるため、手数料は高めに設定されやすく、売掛金が回収できなかった場合のリスクを利用者が負うケースもあります。

3社間ファクタリングは、売掛先の同意を得て、ファクタリング業者が売掛先から直接回収する契約形態です。業者の回収リスクが小さくなる分、手数料は低くなりやすい一方で、売掛先との取引関係に影響が出る可能性があります。

一般的には、「資金調達スピード」と「売掛先に知られないこと」を重視する中小企業・フリーランスには2社間、「コストを抑えたい」「継続的に利用したい」企業には3社間が選ばれる傾向にあります。また、3社間は売掛先が大企業や公的機関など信用力の高い相手であるほど、有利な条件になりやすいと言えます。

ファクタリング業者の主なタイプ(独立系・銀行系・フィンテック系)

ファクタリング業者は大きく、独立系・銀行系・フィンテック系に分けられます。それぞれ次のような特徴があります。

  • 独立系:自社独自の審査ノウハウを持ち、業種や企業規模に応じて柔軟に対応しやすいのが特徴です。多業種・多額の実績を持つビートレーディングのような業者が代表例で、小口から大口まで幅広い相談に応じるケースが多く見られます。
  • 銀行系:銀行グループやカード会社などが提供しており、信用力や安心感が高く、大口取引にも対応しやすいのが特徴です。医療機関や介護事業者向けなど、特定業種に特化した低手数料のファクタリング商品が提供されている場合もあります。
  • フィンテック系:OLTAやFREENANCEのように、オンライン完結や審査スピードを強みとする業者です。クラウド会計ソフトや請求書サービスとAPI連携し、AI審査によって短時間で可否がわかるサービスも増えています。

自社の取引規模、ITリテラシー、継続利用の有無などを踏まえ、自社に合ったタイプを選ぶことでミスマッチを減らせます。


ファクタリング業者を選ぶときの7つのチェックポイント

1. 手数料・実質コストは適正か

手数料相場を把握する

おおよその目安として、3社間ファクタリングで概ね5〜10%、2社間ファクタリングで10〜20%程度が一般的なレンジとされています(業者や債権の内容により増減します)。提示された手数料がこの相場から外れている場合は、なぜその水準になるのか、理由を必ず確認しましょう。

とくに、20%を大きく超えるような手数料を常態的に提示する業者は、行政から「実質的な高金利」として問題視されやすく、トラブル事例も多く報告されています。一方で、医療・介護など特定業種向けの銀行系商品では1%前後の低率も存在します。自社の業種に特化したサービスがないかも併せて確認するとよいでしょう。

年利換算で実質コストを確認する

買取手数料を、債権回収までの期間で年率換算して比較すると、実質的なコスト感を把握しやすくなります。短期の資金繰り対策であっても、年率換算では高コストになる場合があることを認識しておくことが重要です。

例えば、100万円の売掛金(30日後入金予定)を、手数料10%で即日ファクタリングした場合、1か月で10万円の負担となり、単純計算の年率換算では120%超となります。複数社から同じ売掛金・同じ回収予定日で見積もりを取り、手数料と年利換算した数値をメモして比較することで、割高な条件を避けやすくなります。

2. 入金スピードと対応可能な時間帯

「最短即日」の条件を確認する

「最短即日」などの表現には、必要書類がすべて揃っていることや審査通過が前提であるといった条件が付くのが一般的です。実際に申込から入金まで、平均して何営業日かかるのかを必ず確認してください。

オンライン完結型のフィンテック系では、「最短10分」「最短2時間」といった表示も見られますが、初回利用時には本人確認や反社会的勢力チェックなどで1〜2日程度かかるケースもあります。「2回目以降は早くなるが、初回は時間がかかる」といった条件が付くことも多いため、初回と2回目以降のそれぞれの目安を事前に聞いておくと安心です。

土日・夜間対応の有無を確認する

緊急時にどこまで対応してもらえるかは、業者によって大きく異なります。問い合わせ窓口の営業時間や、審査・入金フローが土日・夜間にどこまで対応可能かを確認しておきましょう。

建設業や運送業、フリーランスなど、支払いが週末や月末に集中しやすい業種では、「土日も審査・入金に対応」「チャットサポートは夜間22時まで」などの体制があるかどうかで使い勝手が大きく変わります。一方で、銀行系のサービスは平日昼間の対応が中心で、スピードより安定性を重視する傾向があります。自社の締め日や支払予定日との相性も確認しておくとよいでしょう。

3. 買取可能額・対象債権の種類

対応可能な金額の下限・上限を確認する

ファクタリング業者ごとに、買取金額の下限・上限が設定されています。自社の請求書の金額規模や、複数の売掛金をまとめて売却した場合の合計金額で対応可能かどうかを確認しましょう。

独立系やフィンテック系には、1万円〜数十万円規模の小口から対応する業者もあれば、数億〜10億円超の大口案件を得意とする業者も存在します。複数の売掛金を一括で売却できるか、継続利用時に与信枠(ライン)が設定されるのかなど、将来の資金計画も踏まえてチェックしておくと安心です。

将来債権・個人事業主・フリーランスへの対応可否

将来債権(受注済みだがまだ請求書が発行されていない債権)や、個人事業主・フリーランスの債権を買い取るかどうかは、業者ごとに大きく方針が異なります。自社の形態や利用したい債権の種類が対象になっているか、事前に必ず確認してください。

例えば、ビートレーディングのように将来債権まで買取対象とする業者や、FREENANCE・ペイトナーのようにフリーランス案件に特化したサービスもあります。一方で、銀行系や保守的な一部業者では法人の既発生債権のみを扱い、「個人名義の請求書は不可」といった制限を設けていることも少なくありません。

4. 審査基準と通過率

赤字・債務超過でも利用できるのか

多くのファクタリングでは、利用者本人の財務状況よりも、売掛先の信用力が重視される傾向があります。そのため、利用者側が赤字決算であっても、売掛先の信用力が高ければ利用可能なケースは少なくありません。

実務上は、「創業間もない」「決算が赤字」「税金や社会保険料に滞納がある」といった企業でも、売掛先が上場企業や大手企業であれば審査に通過している例が多数あります。逆に、売掛先が個人や零細事業者の場合は、利用者側が健全であっても審査が厳しくなることがあります。どの程度までリスクを許容しているのか、実際の事例や通過率を聞いておくと判断しやすくなります。

売掛先の信用力をどう評価しているか

業者が売掛先の信用力をどのような基準で評価しているかも重要なポイントです。売掛先の業種、財務状況、支払い履歴などをどの程度調査するのかを確認しましょう。一般的には、大手企業や上場企業、公的機関との取引は審査が通過しやすく、条件も有利になる傾向があります。

一部の業者は、外部の信用調査機関や自社データベース、AIスコアリングを用いて売掛先を評価しています。具体的には、「取引年数」「支払サイト」「過去の入金遅延の有無」などが重視されます。複数の売掛先を持っている場合、「どの売掛先の債権なら条件がよくなるか」を相談しておくと、必要なときに最も有利な債権から活用しやすくなります。

まとめ:自社に合ったファクタリング業者を見極める

ファクタリングは、資金繰りを一時的に立て直すうえで有効な選択肢ですが、条件や事業者によって負担やリスクの度合いは大きく変わります。とくに、2社間・3社間の違い、独立系・銀行系・フィンテック系といった事業者タイプの特徴を押さえたうえで、「自社の資金ニーズ」「取引先との関係」「ITリテラシー」「継続利用の有無」といった観点から相性を見極めることが欠かせません。

その際、手数料の数字だけで判断せず、年利換算した実質コストや、入金までのスピード、土日・夜間対応の有無、対応可能な金額レンジ・債権の種類、審査方針(赤字決算・将来債権・フリーランス案件へのスタンス)などを総合的に比較することが重要になります。とくに、相場からかけ離れた高い手数料や、不透明な料金体系を提示する業者には注意し、複数社から見積もりと説明を受けたうえで慎重に判断しましょう。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次