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飲食店のつなぎ資金に!売掛金(クレジットカード債権)の早期資金化

目次

飲食店の売掛金を「今すぐお金」に変える方法とは?

なぜ飲食店はつねに「つなぎ資金」に悩まされるのか

飲食店は仕入れや人件費が先に発生し、客からの支払い、本部精算、カード入金が後になるため、キャッシュアウトとキャッシュインのタイミングに常にズレが生じます。季節変動や繁忙期に向けた仕入れ増加などで一時的に資金が逼迫しやすく、短期のつなぎ資金が課題になりやすい構造です。

とくにフランチャイズ店では、「本部へのロイヤリティ支払い」や「本部一括仕入れの立替精算」が重なる月、さらに家賃・賞与・更新料などが集中するタイミングで、一時的な資金不足に陥りやすくなります。その結果、黒字であっても手元資金が足りない「黒字倒産リスク」を常に抱えることになります。

このような「売上はあるのに現金がない」状態を埋めるため、短期のつなぎ資金ニーズが生じるのです。

クレジットカード・フードデリバリー・本部精算…遅い入金サイクルの正体

クレジットカード会社やフードデリバリー事業者からの入金は、通常30〜60日の入金サイトが一般的です。本部精算についても、締め日や支払日が後ろ倒しになるため、売上が上がっても現金化までに時間がかかります。

さらに、テイクアウトアプリやBtoB決済サービスなど、プラットフォームを介する取引では「月末締め翌月末払い」など、より長い入金サイクルが設定されることも多く、実際の入金タイミングが読みづらくなりがちです。

インバウンド比率が高い店舗では、外国人観光客のカード決済比率が高まることで、「現金売上は少ないのに、カード売上が積み上がる」という状態になりやすくなります。売掛金としては増えていく一方で、運転資金としてはすぐに使えないため、資金繰りのジレンマが強まります。

銀行融資だけに頼る危うさと、代替手段としてのファクタリング

銀行融資は金利が比較的低く有利ですが、審査や担保・保証の確認に時間がかかり、短期のつなぎ資金としては機動力に欠けます。そこで、売掛金を早期に現金化する「ファクタリング」が有力な代替手段になります。

ファクタリングは、民法上の「債権譲渡」にあたる取引であり、貸金業法の対象となる融資とは位置づけが異なります。そのため、赤字決算の店舗や、税金・社会保険の滞納がある店舗でも、売掛先(カード会社・フランチャイズ本部・企業顧客など)の信用力が高ければ利用できるケースが多くなります。

このように、銀行融資の審査に通らなかった場合でも、「資金調達が完全に行き詰まる」状況を避けやすい点が、ファクタリングの大きな特徴です。


ファクタリングとは?飲食店が知っておくべき超入門

「借金ではない資金調達」ファクタリングの基本構造

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却し、その対価として現金を受け取る取引です。融資ではないため、貸借対照表上で負債が増加することはありません。売掛金額から手数料を差し引いた金額が、契約後すぐに入金されます。

一般的な流れは、次のとおりです。

  • 1. 売掛債権(請求書・カード売上明細など)を提出し、ファクタリング会社の審査を受ける
  • 2. 買取金額と手数料率について合意し、契約を締結する
  • 3. 必要に応じて売掛先に債権譲渡の通知を行う
  • 4. 売掛金額から手数料を差し引いた金額が、即日〜数日で入金される
  • 5. 支払期日に売掛先から入金があり、ファクタリング会社または店舗側で回収を完了する

また、「ノンリコース(償還請求権なし)」タイプを選択すれば、売掛先が倒産して入金がなくなった場合でも、飲食店側が買取代金を返還する必要がない契約もあります。未回収リスクを移転できる点でメリットがありますが、一般的には手数料がやや高くなります。

飲食店で扱う売掛金の種類
(カード債権・本部精算・企業向けケータリングなど)

飲食店で代表的な売掛金は、クレジットカードの売上債権、フードデリバリー業者からの未入金分、本部へのロイヤリティ精算分、企業向けケータリングやパーティーなどに対する請求書債権です。

クレジットカード債権は、売掛先がカード会社であり信用力が高いため、ファクタリング審査を通過しやすい傾向があります。

そのほかにも、企業向けパーティー・仕出し・福利厚生向けランチの掛売り、商業施設から支払われるインセンティブやレベニューシェアの精算金、複数店舗を運営する事業者がフランチャイズ本部や大手食材卸へまとめて請求している売掛金など、飲食店には「現金ではなく請求書ベースで受け取る売上」が少なくありません。

これらはすべてファクタリングの対象となり得ます。自店の「請求書売上」「カード売上」をあらかじめ棚卸ししておくことで、いざというときにどの程度の資金調達余地があるかを把握しやすくなります。

他の資金調達との違い
(銀行融資・ビジネスローン・カードローンとの比較)

銀行融資は金利が低く資金調達コストを抑えられますが、審査に時間がかかり、担保や保証人を求められることも多くなります。ビジネスローンやカードローンは即時性に優れますが、金利が高く、借入として負債計上されます。

これに対し、ファクタリングは「売掛債権の売却」であり、即時性と非負債性が大きな利点です。ただし、売掛金額に対して手数料が発生します。

似た手法として、売掛債権を担保にする「売掛債権担保融資(ABL)」がありますが、こちらはあくまで融資の一種であり、返済義務と金利負担が生じます。一方、ファクタリングは売掛金そのものを買い取ってもらうため、将来のキャッシュフローを前倒しするイメージであり、「返済に追われる」という発想になりにくい点が特徴です。

ただし、2社間ファクタリングの手数料は、年率換算すると20%超となるケースもあります。そのため、「緊急時のスポット利用」や「成長投資のための一時的利用」にとどめるなど、コストを十分意識した使い方が重要です。


飲食店がファクタリングを使うとどう変わる?

クレジットカード債権の早期資金化でキャッシュフローはこう変わる

カード売上の入金待ち期間を短縮できるため、仕入れ代金や給与の支払いを安定させやすくなります。資金繰りの見通しが立ちやすくなり、仕入れ先との交渉力向上や、急な欠員補充への対応も取りやすくなります。

たとえば通常、「売上発生 → 30〜60日後にカード会社から入金」という流れのところを、ファクタリングを利用すれば「売上発生 → 数日以内に入金」という形に前倒しできます。これにより、

  • 現金払い限定だった割引仕入れに対応できる
  • 好条件での大量仕入れに踏み切れる
  • スポットで優秀なアルバイトを追加採用できる

など、攻めの施策に資金を振り向けられるようになります。

結果として、「ギリギリで回すための資金調達」から、「利益を増やすための前向きな資金調達」へと発想を転換しやすくなります。

仕入れ・家賃・人件費が「遅れない」ための実践的な使い方

ファクタリングは、繁忙期前の先行仕入れや、月初の家賃・人件費などの支払いを確実に実行するための短期的な資金補填として活用するのが基本です。一方で、常態化させないことが非常に重要です。使用目的をあらかじめ限定し、計画的に利用することがポイントになります。

具体的には、次のようなルールづくりが有効です。

  • 家賃・人件費など「絶対に遅らせられない固定費」の支払いが重なる月だけに利用を限定する
  • 「新メニュー導入」「客席拡張」「デリバリー開始」など、売上アップと直結する投資にのみ充てる
  • ファクタリングで得た資金で仕入れ単価を下げ、その原価削減効果で手数料を吸収できるか、事前にシミュレーションする

また、会計ソフトやPOSデータと連動させて毎月のキャッシュフロー予測を作成し、その中で「利用する月・利用しない月」をあらかじめ決めておく運用も有効です。

個人経営とチェーン店で異なるファクタリング活用ポイント

個人経営の店舗では、少額から利用でき、即日対応が可能な2社間ファクタリングが利用しやすい傾向にあります。売掛先に知られたくない、取引条件を変えたくないというニーズが強く、「売掛先非通知」で完結することに価値があるためです。数十万円規模のカード債権や本部精算分を、必要なときだけスポットで現金化する活用法が典型的です。

一方、複数店舗を運営する企業やフランチャイズチェーン本部の場合は、卸業者や大手企業との取引金額が大きく、売掛先の信用力も高いことが多いため、3社間ファクタリング(売掛先も交えたスキーム)を選択するケースもあります。3社間では手数料率を抑えやすく、長期的な運転資金の平準化ツールとして位置づけることも可能です。


まとめ:ファクタリングを「最後の手段」ではなく「計画的な選択肢」に

飲食店にとって、クレジットカード売上や本部精算、企業向けケータリングの請求書などは、「いずれ入るお金」でありながら、支払いが迫る局面では心もとない存在になりがちです。ファクタリングは、こうした売掛金を早めに現金化し、支払いタイミングとのギャップを埋めるための現実的な選択肢といえます。

銀行融資のように負債を増やさず、短期間で現金化できる一方、手数料負担は軽くありません。そのため、家賃・人件費・仕入れなど「絶対に遅らせたくない支払い」や、売上アップと直結する投資など、使い道をはっきり決めたうえでスポット利用することが肝心です。

まずは自店の「カード売上」「本部精算」「請求書売上」を棚卸しし、どの程度の金額がファクタリング対象になり得るのかを把握しておきましょう。そのうえで、銀行融資やビジネスローンと組み合わせながら、キャッシュフロー全体を安定させるための一手段として、計画的にファクタリングを活用していくことが重要です。

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